初めての温泉湯治から10年を経て今思う事
MEMO
- 症状
- 全身乾燥型のアトピー、現在は顔・首・手のみ。
- 病歴
- 20年(初訪問時28歳)
- 湯治日数
- 初回2泊3日 以後、回数不明。移住経験もあり。
- 湯治を終えて
- 傷が塞がり、炎症が治まる
初めて豊富温泉へ湯治に来たのは今から10年前の28歳でした。
アトピーを発症したのは18歳のときでしたが、症状も軽く、かかりつけの皮膚科医がステロイドに否定的な考えであったこともあり、特に治療はしていませんでした。また、かつて家族がアトピーで脱ステをしているのを見ていたので、絶対ステロイドは使わない!と思っていました。
その後、25歳頃から症状が全身に広がり、日常生活もままならないほどになりました。紅皮症で全身真っ赤にただれ、夜も眠れず、真夏なのにストーブをつけて震えていました。ステロイドを使っていないのに、その症状は脱ステのリバウンドのようでした。自分の体に何が起こっているのかわからず、そもそもステロイドを使っていないので、薬が抜ければ症状が治まるという希望も見えず非常に辛い日々でした。このときは民間療法で寛解し、5ヶ月ほどで社会復帰することができました。
その後1年間はツルツルの肌で過ごせましたが、再び症状が出始めたころにインターネットで豊富温泉を知りました。
当時はコンシェルジュデスクもなかったので極めて情報は少なかったです。湯快宿に電話をして管理人さんにお話を伺いました。私が札幌だったこともあり「とにかく一度来てごらん」と言われ、まずは2泊3日のお試し湯治に向かいました。とても温かなお人柄が電話でも伝わったので安心して出発できました。湯治方法は湯快宿ノートと出会った方の話を参考にしつつ、約2時間×3回くらい入っていました。
豊富に来て良かったことのひとつに人との出会いがあります。同世代のアトピーの人に会うのは初めてで、おしゃべりをしていると2時間もあっという間でした。
2泊なので湯治効果自体は期待せず、温泉や町の雰囲気を知りたくて行ったのですが、結果、肌は最初からグングン良くなりました。それから、連休のたびに通うようになりました。
私の場合、傷があるときは入浴してからしばらくは痒みが増しますが、次第にお湯が気持ちよくなってきます。入浴後も痒みと乾燥が増しますが、1時間位すると落ち着いてきます。入浴するごとに傷が塞がり、落屑を繰り返して強い肌に生まれ変わります。
しかし、訪問回数を重ねていくと、今回は効きが遅いな~とか、効果が出るまでに一旦悪化するようになったり、塩に負けたり…次第に短期間での効果は感じられなくなってきました。やはり、一定の効果を得るには3週間以上の湯治期間が必要だと思います。
私は自分自身のアトピーは完治するものではなく、一生付き合っていくものだと考えています。温泉はあくまでも対症療法ですから、日々の食事や運動など体質を改善する努力も大切だと思います。この10年の間、温泉から離れていた期間もありますし、薬に対する考え方も変わりました。今は温泉も薬もQOL向上のためにうまく付き合っていきたいと思っています。
最後に、豊富では肌が荒れていても隠す必要もなくありのままの自分でいられるし、周りもそのまま受け入れてくれることにいつも癒されます。豊富温泉の効果は泉質だけじゃなく、こういった部分も大きいと思います。