牛舎での体験から感じたこと
こんにちは 😀
就業体験ブログも折り返し地点を過ぎ、残りはあと少しです。
今回は、2月16日の午後に体験した内容をご紹介します。
私たちがこの日お邪魔したのは、久世 亮(くせ あきら)さんの牧場。
「工房レティエ」でのチーズやジェラート作りにも使われる牛乳が生まれる牧場で、酪農家の暮らしの一部分を体験させていただきました。
それでは、牧場での出来事を時系列に沿ってご紹介。
この前に立ち寄った工房レティエから車を走らせること数十分。
久世牧場に到着です。
すると・・・
雪の中、大きなトラクターがお出迎え。
牛たちに与えるサイレージを運んでいます。
お借りしたつなぎに着替え、いよいよ牛たちとご対面。
近くにいると牛たちの呼吸や体温まで感じられて、遠くから見るのとは大違いです。
まずは餌やりをお手伝い。
始めは配合飼料です。
牛乳公社での説明を思い出し、「これがあの・・・」と実感が湧きます。
飼料を手押し車に積み、大きなスプーンで一頭につき一杯を与えていきます。
油断すると手押し車から直接食べられそうになるほどの食欲でした。
続いては子牛にミルクを与えます。
栄養分の含まれた粉ミルクをお湯で溶きます。
赤いつなぎは、亮さんの妹であり「工房レティエ」でジェラートを作るあもさん 🙂
2,3リットルはあるミルクを一気に飲み干します。
子牛といっても力は強く、気を付けていないとミルクの入ったボトルごと持っていかれそうになります。
この後は、牧草を与えるため、牛舎の2階スペースへ。
ここには乾牧草やサイレージが運び込まれ、下の牛たちの目の前に牧草を落とせるよう各所に穴が開いています。
まず上から牧草をほぐして落とし、下の通路で一頭一頭に均等に分け与えます。
当然ですが草や埃の舞う作業・・・亮さんたちはへっちゃらそうですが、マスクが欲しくなります。
自動車と違って後輪が曲がるため、かなり苦戦しました。
アドバイスして下さったこうたさん、ありがとうございましたm(_ _)m
牧草を与えた後は、通路をお掃除。
どちらも、牛舎をきれいに保つために大事な作業。
余談ですが、はじめ牛舎にお邪魔したとき、想像していたよりも案外においが弱いと感じたことを覚えています。
牛舎は出来るだけ清潔に保つようにしているという話をお聞きしましたが、このような作業の積み重ねがあってこそなのだと思います。
牛たちの乳頭を濡れた布で拭き、まず手でお乳を搾ります。
ここで出血などの異常が無いか確認すると同時に、刺激を与えてお乳を出す準備を促すとのこと。
異常が無ければ、
乾いた清潔な紙で拭き取った後、搾乳機を取り付けます。
自分がきちんと見たのはほんの数頭でしたが、その中でも乳頭の位置などには大きな違いがあり、牛たちの個性を感じました。
またここでもう一つ感じたのは、搾乳の手順すべてに注意を払っているということ。
食品として口に入る牛乳に直結する訳ですから当然といえばそうですが、一つ一つの手順を手で行ない、目で見て細心の注意を払っていました。
搾乳機によって搾られた生乳はこの容器を経由し、冷却タンクへと入れられます。
ここから一部がレティエに直送され、チーズとジェラート作りに使われます。
まさに直送・・・この上なく新鮮な生乳です。
ここで時間も迫っていたため、私たちが体験させていただいたのはここまで。
普段は、すべての牛の搾乳作業を亮さんと奥さんの二人で行なっているそうです。
今回私たちが関わった作業は、長い一日のほんの一部分。
亮さんにお聞きしたところ、毎朝4~5時頃から起きて作業が始まり、夜終わるのは22時頃、寝るのは23時頃とのことでした。
餌やりは朝夕2回ですが、昼は休みかというとまた別の作業があるそうです。
「・・・一体いつ休むんだ?」と思い聞いてみると、
日程を調整して「酪農ヘルパー」さんに頼むことで休むことは出来る、との答え。
酪農ヘルパーという名前は聞いたことはありましたが、このような役割を持っていたんですね。
それでも牛たちの世話をするという仕事柄、基本的に休みはありません。
以前、長期湯治中に酪農を手伝っていたことがあるという方と何人かお話をしたことがありますが、皆口を揃えて「キツイ」と言っていたのを覚えています。
毎日朝から晩まで体を使った作業、楽な筈はありません。
彼らの言っていた「キツイ」の意味を、少しでも分かったような気がします。
私は小さいころに漠然と、「将来は広い場所で、動物と一緒に暮らしたい」と思っていたことがあります。
今回その一つの形を目にし、体験した訳ですが、「これはそう簡単に出来る暮らしではない」と思う反面、「本当に素敵な暮らし方だ」とも感じました。
そのような思いが心の奥底にありながらもこれまで全く違う生活をしてきた自分にとって、今回の体験はとても感じ取るものの多い時間でした。
亮さん、久世牧場の皆さん、貴重な体験を本当にありがとうございました 🙂
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