馬の仕事って何するの?
初めまして!
豊富にプチ移住中の松本です。
突然ですが皆さん、豊富温泉で「お馬さん」に会えることはご存じですか?
すでに他の方のブログにも登場していますが、
温泉街には、馬とふれあえる広~い牧場があるのです。
一歩入れば別世界!
優しい瞳をした、「どさんこ」という種類の馬たちです。
こちらは、及川さんという農家さんの牧場。
私は去年、湯治の際に及川さんご夫婦と出会い、
ここで4ヶ月間のバイトをさせていただくことになりました。
牧場の場所は、「湯の花荘」のお隣。
(看板、書かせていただきました)
「馬とふれあって、豊富温泉での楽しい思い出を作ってほしい」
そう及川さんご夫婦は望まれていますので、
ぜひ皆さん立ち寄ってみてくださいね!
- * * * * * *
ところで馬の牧場って、どんな仕事をするの??
今回は、私がのぞいたお馬農家の世界をご紹介します!
★赤ちゃんラッシュ!
ハートをギュッとつかまれたのは、馬の赤ちゃんの愛らしさ!
馬は春~初夏に出産ラッシュを迎えます。
赤ちゃんは生まれて数時間でしっかりと立つんですよ。
↑お母さんの足元でウトウト。
馬は外で自然分娩しますが、
積雪や水たまりがあると赤ちゃんが溺れるため、
保護して馬小屋に連れて行くのが人間の仕事です。
カラスやアライグマなどに赤ちゃんが襲われることもあり
見回りも気が抜けません。
馬の親子の情愛は深く、いつも寄り添って行動していますよ!
★牧場づくりは根気よく!
及川さんちでは広い牧場をいくつも所有しており、
ワイルドな自然の中で、約50頭の馬をのびのび放牧するスタイル。
(馬は定期的に市場で売られ、食用、観光用、ペット用、加工用と幅広く活用されます。)
雪が溶けるといっせいに馬を各牧場に放すのですが
その前に毎年、各牧場の整備が一大イベントとなるのです。
これがとっても地道な作業!
なんせ、すべての牧場が果てしなく広~いので、とにかく根気が必要。
牧場を囲う有刺鉄線は雪の重みで切れてしまうので
冬の間はすべて外しておくのですが、
それを1本ずつ付け直したり、杭を打ち直したり…。
山を越え、茂みを抜け。重い道具を持って歩くと、モヤシっ子のわたしはヘトヘト。
でも、馬を安全に放牧するため重要な仕事なのです。
そのぶん、馬を放牧できた瞬間は爽快!
広い草原を走り、きれいな川の水を飲み、
及川さんちの馬たちはとっても健康に育ちます。
★検査は大さわぎ!
今年は保健所による5年に1度の検査がありました。
これもひと騒動!
獣医さんが一頭ずつ採血をするため、
検査日までに約50頭の馬を全員、綱でつないでおくのです。
カウボーイのように綱を投げたり、狭い枠に追い込んだりして馬をつかまえ、顔にモクシという馬具をつけます。
それを約50頭くりかえす。
しかし、初めて綱をつけられる馬は、逃げまくり・暴れまくり!
それを手なずけて、根気よく馬をつなぐ及川さんはさすがプロです。
↑暴れる馬はトラクターで小屋へ引っ張っていき、綱に慣れさせます。
検査当日は、獣医さんや、応援にかけつけた馬喰(ばくろ=馬商人)さん、大勢で力を合わせて採血が済みました。
みなさん手際がすばやく、やはりプロ。
↑スプレーで番号をふられた馬たち。
検査結果は異常なしでした!
- * * *
ほかにも、牧草の運搬やエサやり、牧場の見回り、草刈りなど…仕事はいろいろ。
↑仲良くなると、顔を見たらトコトコ寄ってきてくれる馬たち。
↑作業中も、「何してるの?」といわんばかりに見守ってくれます。
畜産業は想像以上に大変だと思う瞬間も多々ありましたが、
きれいな自然の中で馬とふれあっていると、
疲れも吹き飛び、それ以上の何か大きなものに満たされた気持ちになりました。
そして何より痛感したのは、「根気」の大切さ。
動物と自然、天気が相手の仕事は、自分の思う通りにいかないことも多い。
それでも及川さんは、いつも根気よく強い信念で仕事をやりとげています。
それって、人生のいろんな場面で必要な姿勢だなと思ったわけです。
及川さんの奥様も日々旦那様を支え、とても素敵なご夫婦。
支え合うことの大切さをお二人から学びました。
ご夫婦は毎日私へあたたかい気配りをして下さり、
この4ヶ月は私にとってまぶしい宝物のような時間でした。
そんな及川さんちの牧場、可愛いお馬さんが待っています。
ぜひ遊びに来てくださいね!
長いブログを読んで頂きありがとうございました。
★おまけ
↑牧草ロールが生まれる瞬間!
これは及川さんが運転する「ロールベーラー」という機械です。