湿原歩きへのお誘い

2019年06月21日

こんにちは！
湯の杜ぽっけの髙木です。

豊富町の近郊、中川町で6/18～6/19の日程で開催された、NAKAGAWA FOREST TOURISMに、それに合わせて休みを取る事が出来、参加してきました。
林業の町中川の魅力に触れる旅で、森林ガイド歩き、焚火ランチ、グランピング交流会、木の伐採から製作までの工程を体験できる木工クラフト等、充実したプログラムでした。

中川町の方々や、ツアーを主催された雑誌スロウの編集部の皆様、このツアーに参加された皆様との交流も本当に楽しく、全ての時間が最高なツアーでした。

その中でも、特に楽しかったのが、森林ガイド歩き。

普段から仲良くしてもらっている中川町役場の髙橋さんのガイドで、中川の森を歩きました。
中川町では、次世代に渡って持続可能な森づくりに取り組んでいます。
森を歩きながら、例えばエゾモモンガの住みかのためにあえて病気の木も切らずにいるとか、木を枯らすツタと枯らさないツタがあり、枯らすツタだけを森の手入れの際に切った後、ツタを使ってクラフト作品を作る作家に活用してもらっているなど、自然に寄り添った生態系の多様性を尊重した森林経営と、それに依って立つ持続可能な地域社会作りに取り組んでいる話がありました。
上の写真にある道も、ただの道に見えますが、実は工夫があり、人工的に道を舗装しなくても良いように、側面には緑を育む森の表層の黒土を移植して自然に緑で覆われるようにし、歩く所は黒土の下の層である茶色の土にして草木が自然と生えてこないようにしているとの事。
その他にも、土、種、水分と光合成、鳥、針葉樹と広葉樹の生存戦略の違い、生物相互の関連と多様性を保つ大切さについて等々。
髙橋さんの話を聞けば聞くほど面白く、森を見る目が変わり、その奥にある目に見えない世界に興味が湧いてきます。

今振り返って、髙橋さんのガイドは、一流のインタープリテーションだったなぁ、と感じます。

この「インタープリテーション」という言葉、直訳すると通訳という意味ですが、ネイチャーガイドの分野では、異なる意味合いがあり、単に事実や情報を伝えるだけではなく、その背後にある意味や相互の関係を伝え、興味を刺激し啓発する、というような意味合いで使われます。

この写真は、私がプライベートで行っているパークボランティア活動の仲間と6/27に開催を企画しているイベント「サロベツ湿原スポットガイド」（6/26追記：6/27が雨天の予報のため、7月に延期する事になりました。開催日が決まり次第、掲示ポスターや豊富温泉facebookにてお知らせいたします。）に向けての勉強会の資料です。
私は大学時代に環境教育の勉強をしていましたが、このイベントに向けて久しぶりにインタープリテーションを学び返しているタイミングで、そのため髙橋さんのガイドはとても参考になりました。

そんな訳で前置きが長くなってしまいましたが、現在イベント準備中です！
タイミングがあう方、ぜひ6/27はサロベツ湿原の木道歩きをしませんか？
（6/26追記：6/27が雨天の予報のため、7月に延期する事になりました。開催日が決まり次第、掲示ポスターや豊富温泉facebookにてお知らせいたします。）
私含め、数名のパークボランティアが、精一杯ガイドさせて頂きます！

この写真は、イベント準備のための下見の際のもの。
今年は、エゾカンゾウの当たり年で、盛大に湿原を彩っています。
今週がピークと思われるため、来週は少し減っているかと思いますが、それでも多くのエゾカンゾウの花や、その他の花が咲いている事と思います。花以外にも、湿原の歴史や泥炭採掘産業との関係などをお伝えしたいと思います。
当日は、ただの情報の伝達ではなく、インタープリテーションとして、目に見えない泥炭と湿原の植物の関係性を伝えたり、面白い花の見方もお伝えして、興味を刺激し啓発できれば、と思っています！