山の幸
先週ご案内した「とよとみフットパス」のお楽しみ試食会や、昨年行った1DAYレストランでもメニューに入っていた地元でとれる山菜「イタドリ」。
豊富は行者にんにく、タケノコ、フキ、ワラビ、ゼンマイ等々、多数の山菜が自生しており、あちらこちらで採れます。
私もかなり前には母と色々採りに行きました(今はもっぱら食べる専門)。
ただイタドリだけは調理して食べるものではなく、下校時道端に生えているのをもぎ取ってかじった酸っぱい味しか記憶にありませんでした。
ホコリだらけのをそのままかじるので決してきれいではないですが、もしかしたらそのおかげで少々の事ではびくともしないお腹になれたのかな。
他の地方では積極的に採って食べているところもあるようですが、こと豊富はメジャーな山菜に押されて伸び放題のままです。
昔ながらの知恵や技を活かした農産物や手工芸品を展示する「農村生活文化伝承展」の実行委員会メンバーがこのイタドリに注目し、加工を始め、平成4年に「農村生活文化伝承活動をすすめる会」が立ち上がりました。
現在も農家のお母さんが中心となり、一丸となって春先にイタドリを収穫し、塩漬けしています。塩漬けしておけば秋でも冬でも食材として使えるので、毎年10月に行っている農村文化伝承展では、塩漬けやお惣菜にして販売しています。
いつも頂くだけの私たちでしたので、一度はどんな風に作っているのかちゃんと見て知りたいと思っていたら、豊富高校の先生が会員の方に収穫から下ごしらえ方を教わることを聞き、急きょ混ぜて頂きました。
豊富高校では、会員の皆さんが講師となって調理実習を行う授業も行っており、地元を見つめる高校として色々取り組んでいます。
その日は沼田校長先生と家庭科担当の佐藤先生に私も加えてもらい、大ベテランの長尾さんに一連の工程を教えて頂きました。
なんと校長先生自ら高校の敷地内に手頃なイタドリを事前に見つけて下さっていたので、校舎から徒歩数分で到着。
手頃なイタドリをカマでスパッと切って余分な葉を落とし(切り口からは水がしたたり落ちてました)
突き棒(細長くて丈夫であれば何でも良いそうです)で、茎の中にある節を抜き
煮だったお湯に本当にさっとくぐらせ
皮をむいて、樽や大きなポリ袋に入れて塩をたっぷり振る。
これで一晩もたてば瑞々しい茎から水分が出て、徐々にぺたんこになります。
後は食べたい時に塩抜きをして調理します。
採ろうと思えば山ほど収穫できますが、収穫に最適な時期は本当に短く(ちょっと時期を逃すとすぐに固く成長してしまいます)、本業あっての皆さんが旬の時期に採れる量は限られています。そんな貴重な塩蔵イタドリなのです。
飛び入り参加で厚かましく押しかけたにも関わらず、快く受け入れて様々教えて下さった長尾さん、沼田校長先生、佐藤先生、ありがとうございました。
イタドリの加工品を食べてみたい方は、ぜひ来月のとよとみフットパスでご賞味ください。