改めて‘‘豊富町‘‘
前回のブログを見てくれた方はおひさしぶりです。はじめましての人ははじめまして、コンシェルジュデスクスタッフのいそべです。
ここ最近「SoyaLabo10シンポジウム」が豊富町で開催されたり、NPO法人ミラココさんのイベントが豊富温泉街で開催されたり、「日本ヘルスツーリズム学会 特別研究会 in HOKKAIDO」が豊富町で開催されたりと嬉しいイベントが続いています。
夏は沢山イベントがあるのですが、冬になるとなかなか人が集まらなかったりアクセスが悪かったり、天候が落ち着かなかったりと色々と不便な場所なのでイベントは自然と少なくなってしまいます。
ちなみに今年は2025年12月20日から豊富温泉スキー場が営業開始とのことです。
上記の3つのイベントのおかげで宗谷管内、特に豊富町や豊富温泉について、良いところも悪いところも含めて「この地域の魅力とは何だろう?」と改めて考える機会がありましたのでせっかくですし、たまには真面目に書き綴って整理してみたいと思います。

豊富町は北海道宗谷地方にある小さな町で、今はここで暮らしていますが、もし自分がアトピー体質で生まれていなければ、この町を知ることなく人生を終えていたと思います。
それくらいの場所ですが、来た人の印象に何か深く残る不思議な場所です。
町の人口は約3500人で、人よりも牛の数のほうが多いと言われるほど酪農が盛んです。
セイコーマートで売られているサロベツ牛乳は本当に美味しくて、「牛乳なんてどれも同じでしょ」と思っていましたが、飲みやすく牛乳臭さがなく、後味が甘く感じて驚きました。

広大なサロベツ湿原があり、雄大な利尻富士も見られます。
そして日本最北の温泉郷である豊富温泉は、石油成分を含むという世界に2つしかない非常に珍しい泉質を持っており、アトピー等の皮膚疾患で悩む人たちの湯治の場として親しまれています。
湯治で来ていた時、この町では他より時間がゆっくりと流れていく感覚がありました。
が、住んでみると普通に時の流れは速いです。

映画や漫画で見るような「まさに田舎」という風景がそのまま広がり、空は遠くて大きく、人との距離は近いです。
町自体は小さいのですが、ある方の話では「小さい町のわりに外から来た人がとても多い」とのことでした。
それは、湯治をきっかけに移住してきた人が多いことが理由のひとつで、地域によっては閉鎖的な場所もある中、豊富町はそういった雰囲気は少ないです。
実際、住んでいると、外から来た人を特別視したり、線を引いたりするような感覚がありません。「湯治で来てるんだね〜」と自然に声をかけてくれる人も多いです。
そんな優しさや温かさも、豊富町の大きな魅力のひとつだと思います。

では逆になにが無くて困るかといわれると、パッと思いつくのはやはり買い物ができる場所と交通手段です。
または住宅、そして交流の場所。
スーパーやコンビニは豊富町にはありますが、温泉街にはありません。なので夜ちょっと小腹が空いた場合でも買いに行く場所はないですし、もちろんバスの運行が終わっている時間なら車を使うか自転車か歩きしかありません。(温泉と町の間に外灯は無いので徒歩なら真っ暗の中1時間半です)
バスも去年来た時より便数が減ってしまっており、町民は無料で乗れると言っても乗るバスが無ければ意味はありません。
車を持っていない人は、まともな生活を送ることも厳しいです。(特に体調不良時)

不動産がないので住む場所は自力で確保するか、町営の住宅になります。
また少しずつ増えてきてはいますが、コロナ前ほどの湯治の人や地元の人が一緒になって作る祭りやコミュニティは減っています。
当たり前のようにさまざまなものが‘ない‘です。

ですが、そんなことを思いつつ言いつつも気が付けば1年半暮らしてこられました。
地元と比べたら圧倒的に不便でとんでもなく大変な場所ですが、それでも気に入っている場所です。本当に嫌な場所ならさっさと地元に帰っています。
自分にとっての豊富町は「(アトピーが)治る場所というより、(気持ちが)落ち着く場所。」と答えます。
ここにはそんな意味の魅力があります。

全く派手ではないですし、知名度もまだまだ低いです。
まずは北海道外の皮膚疾患に悩んでいる方と、道内の豊富温泉は知っているけど来たことない人たちに来ていただけたらなと思っています。
ないものもたくさんありますが、モノや人があふれている現代こそ、こういう場所で過ごすのも良いのではないでしょうか。
今回は以上になります。
ありがとうございました~










