豊富町がヘルスツーリズムの推進を宣言!
こんにちは。
本日2016年8月1日、豊富町は、ヘルスツーリズムの推進を柱としたふるさと名物宣言をしました。
私も部分的に原案作成に関わらせて頂き、ヘルスツーリズムの切り口を提案させて頂きました。
さて、この「ヘルスツーリズム」って何でしょうか?
日本におけるヘルスツーリズムの振興において代表的な役割を担っている、
NPO法人日本ヘルスツーリズム振興機構の定義によると、ヘルスツーリズムは以下のように説明されます。
「健康・未病・病気の方、また老人・成人から子供まですべての人々に対し、科学的根拠に基づく健康増進(EBH:Evidence Based Health)を理念に、旅をきっかけに、健康増進・維持・回復・疾病予防に寄与するもの」
ちょっと分かりづらいのですが、要は、病気の人もそうでない人も、老人でも子供でも、全ての人が、「より健康になるきっかけとなる旅」を指します。
この日本ヘルスツーリズム振興機構は、JTBと関連があり、東京・品川のJTBビルに事務所があります。
私は前職の自然食品の流通会社に務めていたころ、この振興機構と仕事を通じてつながりを持ち、事務所を訪問させて頂いた事もありました。
振興機構では毎年、ヘルスツーリズム大賞というものを発表されています。
2012年は沖縄県久米島で取り組んでいる食物アレルギー対応の取り組みが受賞しました。
当時からアトピーの人のためのヘルスツーリズムに興味があった私を知っていた振興機構のご担当の方に、この年の受賞式に私を呼んで頂いたこともありました。久米島のアレルギー除去食のハンバーグ、とても美味しかったのを覚えています。
さて、そんな事で私は、今から数年前に「ヘルスツーリズム」という言葉に出会い、特に「アトピーとヘルスツーリズム」に高い関心を持ってきました。
現在、私は豊富温泉にいます。
ここは、特にアトピー等の皮膚疾患を持っている人にとって、湯治という、まさにヘルスツーリズムの一つの形が実現している場所です。
それは、先人の努力や工夫の積み重ねがあっての事です。
私は現在それらに学びつつ、仲間と共に、豊富での「ヘルスツーリズム」をさらに進化させたいという想いでいます。
ヘルスツーリズムが、より「健康」になるきっかけとなる「旅」であるとして、ではそもそも「健康」とは何でしょうか?
私が大学の頃ですから、もう今から20年程前になってしまうのですが(年月の経つのは恐ろしい~)、
WHO(世界保健機関)の考える「健康」の定義を学びました。
WHOは、WHO憲章前文の中で、「健康」について以下のように定義しています。
「健康とは身体的・精神的及び社会的に良好な状態(well-being)のことであって、単に病気ではないとか、虚弱ではないということではない。」
このwell-beingという言葉は、日本語に訳するのが難しい言葉です。
「幸福な状態」とか「より自己実現できている状態」というような意味あいも持ちます。
ここでお伝えしたいのは、「健康」とは、身体的な事だけではなく、精神的や社会的な事も含むという事です。
精神的な健康は、まだ分かりやすいかもしれません。では、社会的な健康とは?
それは、人々が社会の中で個人として尊重され、役割を持ち、自立して活き活きと生活できていることではないかと思います。
私は、こうした広範な意味で健康になるきっかけが、豊富で得られるようになれば素晴らしいと想います。
例えば、豊富温泉に湯治に来られる人の中には、アトピーで苦しみ、人とあまりうまく関われなくなってしまった人や、仕事を辞めざるを得なくなった人もいます。そういった人が、豊富温泉で新たに友人を得たり、久しぶりにバイトを始めたりと、精神的な健康や社会的な健康を取り戻す「きっかけ」を、豊富温泉で得ることができればいいな。
それは、豊富に来られる方だけではありません。豊富に住んでいる人も同様です。皆が広範な意味での健康を高めあっていけるような場所に豊富がなっていけばいいな。
それが、「ヘルスツーリズムタウン豊富」として私が期待する発展の形です。
最後に。
「旅」とは「新たな人や場所との出会い」であるという人もいます。
そうであるとしたら、人と出会うこともまた旅だと言えます。
そして、その出会いがその人にとっていろんな意味で健康になるきっかけになれば、それはヘルスツーリズムと言えるかもしれない。
私自身、「ヘルスツーリズム」な人でありたい、と想う今日この頃です。